黒檀材の硯箱の修理をご依頼いただきました。 接着に使用されていたニカワが剥がれ、各部材が完全にバラバラの状態になっていました。原因は鏡板が約3mmも収縮しており、その歪みによって接合部が破断したものと思われます。
黒檀は非常に硬質で密度が高く、油分も多いため、接着剤の浸透が困難であり、接着が難しい材質です。 修理にあたっては、まず古いニカワを残さず丁寧に除去し、接合面の表面処理を慎重に行いました。 鏡板の収縮による歪みを考慮し、接合部の応力分布を最適化するために、接着剤の選定と塗布方法にも工夫を凝らしました。
これにより、元の形状と機能を損なうことなく、長期的な耐久性を確保しています。
